コラム 新田パパ

子育てにおける「毅然さ」について(パパのための勇気づけの子育て vol.7)


アドラー心理学を基礎とした「勇気づけの子育て」を実践している、新田浩也(にったひろなり)です。

久しぶりのコラムの更新となりました。みなさんの勇気づけライフはいかがでしょうか。

前回までのコラムでは・・・、

  • 信頼してガミガミいうのをやめよう
  • ダメ出しよりヨイ出しを
  • 毎日大好きって言おう

 

というお話をしてきました。

これらの勇気づけの子育てを実践し始めると、怒らないように気をつけて、子どものことを許容し過ぎてしまうことがあります。

私が、まさにそうでした。

妻からは、優しさを通り越して、娘に甘過ぎるパパに見えていたようです。

でも実は、アドラー式子育ては、優しさだけではなく、毅然さの子育てでもあるんです。

第7回目のコラムでは、アドラー式子育ての毅然さの部分に注目します。

 

4つの子育てスタイルから見たアドラー式子育て

発達心理学では、子どもへ要求度と子どもへの尊重度の2つ軸により、子育てスタイルは4つ分かれます。(心理学者バウムリンドの4つの子育てスタイルを参考としています)

①支配的・独裁的なスタイル (要求度:高)(尊重度:低)

子どもへの要求が高く、厳しい子育てスタイルです。

巨人の星の星一徹のようなイメージです。

子どもは、親の大きな期待に応えようと、飛雄馬(星一徹の息子)ように努力して、成功することもあるかもしれませんが、自尊心や社会性が低くなったり、精神的に弱くなるリスクがあります。

②放任的・許容的なスタイル (要求度:低)(尊重度:高)

子どもへの要求は低く、子どもの意見や要求に対して許容的な子育てスタイルです。

ドラえもんで言えば、スネ夫の母親のような甘やかす親のイメージです。

子どもは大きな失敗をせず、傷つくことなく育つかもしれませんが、自分中心で、社会性も低く、自分の思い通りにならないと衝動的になり、独裁的になるリスクがあります。

③無関心・ネグレクト(要求度:低)(尊重度:低)

子どもへの要求も尊重も低いスタイルで、極端な例ではネグレクトとなり、子どもは無気力になるリスクがあります。

 

④民主的なスタイル(要求度:高)(尊重度:高)

子どもの意見を尊重するが、言うべきことは言う、要求も高い子育てスタイルです。マンガのキャラクターは思い浮かびませんでした(^^)

自尊心や社会性が高くなり、精神的にも強くなる傾向があります。

 

アドラー式子育ての毅然さ

アドラー式子育ては、民主的な子育てスタイルで、優しさと毅然さの子育てと呼ばれることもあります。

優しさについては、今までのコラムでなんとなくわかりますよね。

アドラー式勇気づけは、子どもの良いところや当たり前のことに注目して、私はできる!僕は役に立っている!という感覚を勇気づけます。

まさに優しさの部分で、子どものことを尊重しています。

それでは毅然さの部分に説明を移していきます。

子どもの行動の結末は子ども自身に責任を持ってもらう子育て法

子どもの意見や意志を尊重しますが、その行動の責任は子どもに引き受けてもらいます。

宿題編

アドラー式子育てでは「宿題をしなさい!」と直接的に命令をすることはしません。

宿題をするかしないかは子どもの意志を尊重します。

でも、宿題をしなくて困るのは子どもです。

先生に怒られるという結末を引き受けてもらいます。

忘れ物編

「あれもった?これ忘れてない?」と直接的に指示を出したり助けることはしません。

そのかわり、忘れ物をした結末を引き受けてもらいます。

お風呂編

予め、お風呂に入るのが最後になった人がお風呂掃除をすることを協議した上で家族で合意。

最後になった結末の責任は引き受けてもらいます。(このような合意は罰にならないように納得感のある事前合意が必須です)

 

アドラー式子育ては厳しい

ちょっと厳し過ぎません?

そうなんです。アドラー式子育ては厳しいんです!

でも、この厳しさは、長期的視点では、子どもは自分で克服して成長できるという信頼があってのことなんです。

アドラー式子育てでは、失敗も含めた経験を何よりも大切にしています。

子どものうちに、たくさん転んで起き上がる練習をしたほうがいいからです。

本気度を伝える方法「きっぱりと言う」

言うべきことは覚悟をもってきっぱりと、

でも、優しさと繋がり感覚をセットで、アドラー式子育てでは、覚悟を持ってきっぱりと言うことを推奨しています。

なぜなら、子どもは親の覚悟を見透かしているからです。

こんな経験ありませんか?

「これが最後だからね」

子どもは「もういっかい!」と「もういっかい」の無限ループ。

子どもはわかってるんです。親の本気度合いを。

なので覚悟を持ってきっぱりとです。

でも、きっぱりには、優しさや繋がり感覚をセットにすることを推奨しています。

例えば、幼児さんへ

「〇〇ちゃん大好き」(ぎゅー)「これが最後だからね」(きっぱり)

 

疲れて帰ってきた夫へ家事を頼む妻

「今日もお疲れ様」(ぎゅー)「疲れているところ悪いけど、食器、洗っといてくれる?」(きっぱり)

そんな風に奥様に言われたらどうですか?

やる気が出てきませんか?

きっぱり度合いによっては、怖くて断れないかもしれませんね(^^)

コツとしては、普段の勇気づけができていると、ここぞと言うときの毅然さが効果的になります。

アドラー式子育ての厳しさと毅然さ、いかがでしたでしょうか。

優しいパパさんには、なかなか難しいかもしれません。

実践あるのみです!

 

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