川崎パパ塾の広報担当、市川です。
今回は川崎パパ塾のメンバーでもあり、ファザーリングジャパンの創立メンバーでもある奥平さんに登壇いただきました。
そして、2人のパパの体験談(働き方&生き方)を題材に、受講いただいたパパ達にも、自身を見つめ直す機会にしていただきました。
さて、どのような講座だったのでしょうか?
講座レポートとして、ちょっと覗いてみることにしましょう。
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人生100年時代でライフスタイルの見直しの必要性
2人の体験談の前に・・・、
冒頭、イントロダクションでは、多方面で活躍されている方達の考え方などがご紹介されました。
藤原和博さんの、『“10年後、君に仕事はあるのか?―――未来を生きるための「雇われる力」』がご紹介されました。
講座では、明治時代と比較すると、人生が倍増したことで、私達のライフサイクルも見直す必要が来ていることが語られました。
また、山崎亮さんの著書『コミュニティデザインの時代 自分たちで「まち」をつくる』も紹介されました。
講座では、社会人としての価値観を、地域に持ってきてしまうと、たとえ社会人として成功した人でも、地域では失敗してしまうとのこと。
まさに、この2つの価値観は、パパの心の中にある「社会人としての価値観と、子育ての価値観」が存在しているのに似ていませんか?と問いかけがありました。
そして、今後、私達のライフスタイルの見直しに必要なことは、
- 単線型⇒複線型
- 価値観の多様性
つまり、終身雇用の生き方から、多方面での活躍を期待される生き方への、ライフシフトが求められているのかもしれません。
そんなイントロダクションを前置きとして、いよいよ2人のパパによる体験談のパートとなりました。
小森パパの「育休体験記」
小森さんは、育休中に、川崎パパ塾の講座にご参加されたパパさんでした。
パパ友である、私達メンバーでも、断片的に育休体験を聞く機会はあったものの、正式に伺うのは初めての機会となりました。
小森さんは、ソフトなイメージのパパさんなので、暖かな雰囲気の中、育休体験談が始まりました。
なぜ育休を取得したのか?
当時、上の娘が4歳、そこへ息子が誕生!育児給付金の制度もあったし、ほんと気軽な感じで取得したんです。
育休取得率3%ちょっと?なんて知識もありましたが、そんな数字は気にしてはいけません。
人は人ですし、自分がどうしたいかですよね?
ノルウェー「パパ・クオータ制度」
子育て先進国である、ノルウェーの「パパ・クオータ制度」って知ってますか?
ノルウェーも1993年の育休取得率は5%でしたが、2003年には90%になったんですよ!
パパ・クオータ制度とは
育児休暇の一定期間を父親に割り当てる制度(Quotaは割り当ての意味)。
1993年にノルウェーが初めて導入し、北欧を中心として広まった。ノルウェーの本制度では、賃金全額保障で44週間(8割保障で54週間)の育児休暇のうち、6週間は男性だけが取得可能なパパ・クオータ(父親休暇)となっており、男性が育児休暇を取らなければ、その権利は消滅する。
ノルウェーでは、本制度導入以前の男性の育児休暇取得率は約4%だったが、2003年には90%にまで急増した。
引用元:コトバンク
お金の話
あと、気になるのは、お金の話ではないでしょうか?
まず、育児休業給付金は、給料の67%(半年間)もらえるんですよ~
(自営業は対象外)
それに社会保険料も免除になるんです。
でも、給料はどうしても減ってしまいます。
年収500万円であれば、1割ほど50万円くらいが減ってしまう計算です。
ちょっと、ここで、皆さんに、変な質問です!
皆さんは、50万円払えば、会社を半年休めるとしたら、その権利を使いますか?
受講生パパから
■Aさん
私の場合、子供が誕生したのは10年前ですが、当時の私の価値観であれば、お金を選んだかな~
しかし、子育てを経験を経た、現在の私の価値観であれば、間違いなく育休を取得します。
まったく、皮肉な話です。
■Bさん
私ではなく、妻がどう思うのか?そっちの方が気になりますね~
育休中の出来事
妻は生まれたばかりの息子の、お世話担当。
私の担当は、当時4歳の娘と遊ぶことです。
一緒に公園に行ったり、お風呂に入ったり、良き思い出です。
お出かけ先などは、区の情報誌などを活用しましたね~
夏休みは、私の実家に2週間も帰省しました。
ほんと、育休でもしない限り、こんな休みは得られないので貴重な経験でしたね~
育休をとって良かったこと
とにかく地域に目が向きましたね~
川崎パパ塾に出会ったのも、この時期でした。
幼稚園のお友達も私のことを覚えてくれて、とても楽しい日々を過ごすことができました。
また仕事とは違い、目標などは設定せず、のんびりと過ごせた事が良かったです。
家族の反応は?
娘は・・・
「あー、そんなときもあったね」とそっけない感じ!
妻は・・・
なんか、怖くて聞けませんでした~
秋鹿パパの「ライフシフト体験記」
秋鹿パパは、本サイトで、コラム「人任せにしない生き方」でも投稿いただいていたパパさんです。
自身の体験談を熱く語っていただきました。
社畜からの気付き
私は、「出張、残業、徹夜」ばかりの、まさに社畜でしたね。
若い頃は、そんな仕事に疑問を抱かず、当然のように引き受け、むしろ、忙しさを充実していると勘違いしていました。
また異動・転勤は、あたりまえ!
引越しは、手馴れたもので、何の抵抗もなく荷造りができたものです。
しかし、その忙しさから、親の死に目にも会えず、正直「やっちまった!」というのが本音でした。
その後、単身赴任も経験し、体を壊し、ライフシフトへの決断へと向かっていきました。
退職のメリット
退職したメリットは色々とありますね
- リセット&リフレッシュができる
- 新たなスキルを手に入れるチャンス
- 家族との時間が増える(単身赴任でしたので、なおさら)
- 仕事上の不満は解消できた
そして、「手離すことで得られるものがある」と思うんです。
退職のデメリット
2度目のライフは2度目の新人です。それなりのデメリットもあります。
- キャリアがリセットされてしまう
- 50代での転職はハードルが高い
- 所得の低下は避けられない
- 経済的な不安が増大した
ただし、デメリットと感じるかは、その人次第ですよね。
ライフシフトの進め方
長期視点で自分に投資するように、考えてみるのはいかがでしょうか?
人生を逆算して想像し、残りの人生で何ができるのか?を創造するのです。
さらに、ライフシフトは計画的に!そして発展的に考えましょう!
その中で、単線⇒複線系ライフに挑戦しましょう(理想は収入源も複数)
ポイントとして、「やりたくないことは、やらない」と最近、つくづく思うんです。
そして「選択と集中」を忘れずに進めることは、ハートを労わるためにも必要ですよ。
あと・・・、可能であれば、身近にお手本となるような、ロールモデルを見つけると、さらにライフシフトが進めやすいと思いますよ。
ライフシフトを楽しく進めるコツ
また、ライフシフトを進めていくにあたり、「楽しく進める」ことも重要なポイントとなります。
- 楽しいと思えることを見つける(指向性・嗜好性)
- 人との交わりを絶やさない事(社交性)
- 学びの習慣を身につける事。(成長性)
- 人生のタイムラインで、その都度、自分にとっての優先順位を明確にする(計画性)
- 頼まれたら断らない。食わず嫌いにならない(協調性)
- 時には「やりたい事をやる」より「やりたくない事はやらない」という選択も(判断力)
- 興味の対象は我慢しない(積極性・粘り強さ)
- やりたい事について、具体的なアプローチを考える(計画性)
- 具体的なアプローチが想像できるものを優先する(実効性)
- 具体的なアプローチが想像できないものは諦めること(決断力)
ライフシフトで、目指すスタイル
また、念願かない、ライフシフトした際の目指すスタイルは・・・、
- 主体的であること
→ 主役は自分 - 好きと思えることを対象にしていること
→ 興味のないことには手を出さない - 結果に一喜一憂せず納得感を大切に
→ やらされてる感を排除する
そして何よりも「成功より成長」と「心穏やかに暮らすこと」を意識するようにしています。
また、自分の逃げ場を確保しておくことも重要だと思います。
各、講師役からの「感想」
ファシリテーター:奥平 亨 氏
人生100年時代と最近よく言われます。
こんな時代をどう生きるのか、川崎パパ塾としては、パパの視点から考えたいと思いました。
それで今回育休経験者と単身赴任を回避するため退職し別の人生を選んだパパから話を伺いました。
お二人からはそれぞれの視点での生き方を語っていただき、多様な価値観やご家庭それぞれの事情を伺うことができました。
参加くださった中には自営業や専門資格により働いている方もいて、会社勤めにとっての前提とは違うところでの悩みや考えがあることも共有され、参加者全員から気づきを得られたことが面白かったですね。
人それぞれ、多様な在り方がある中で、川崎に縁がある&パパである、が共通項の仲間達との会話はとても刺激的でした。
育休体験者:小森 久 氏
今回の講座も、同じ地域のパパさんたちと交流が持てて楽しい時間を過せました。
私自身の育休体験を改めて振り返ることで、子育てを通して考え方が変わったことを再認識しました。
ライフシフト経験者:秋鹿 良典 氏
働き方云々やライフシフト云々など最近よく耳にしますが、型にハマったテンプレートなんてありません。
ましてや誰かの真似をするなんて無意味です。
有限の時間を与えられた我々は自分自身の人生をどう楽しむか、その一点を人任せにせずに主体的に対峙することが大切です。
その意味で話す側も聞く側も対等でそれぞれがオンリーワンの今回の講座では、参加者全員がそれぞれの人生観を持ち寄り、開陳し、認め合うことができたと思います。
こうして、生い立ちや環境のことなる人間が参集して、それぞれの経験や知識をオープンにして未来を語ることでより幅広い生き方を参照できたのは大きな成果だと思います。
今の日本はかつて経験したことのない少子高齢化に直面しており、誰もが不透明な未来に不安を感じています。
それでも前向きに生きるためには家庭、職場、地域、属性、指向性などのファクターを基軸とした交わりを最大限有効活用して互いを高め合う仕組みが有効です。
最後に
いかがでしたか?
今回は【パパの新しい働き方・生き方を考える「育休・ライフシフト」】の講座レポートをご案内してまいりました。
まさに、パパとして、少しだけ先輩で、地域いるパパ友。
そのパパ友の働き方や生き方は、少し後輩のパパ達には大変参考になるものです。
今回、受講いただきましたパパ達も、視野が広がったと思います。
皆様も、是非ご参考くださいね。
レポート(2017年度)
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