2017年度パパ講座レポート

カリフォルニアの留学生が川崎パパ塾を論文テーマに!


川崎パパ塾に興味を持った、カリフォルニアの留学生
※日本人男性における他者に対するケア行動と思いやり

昨年から、川崎パパ塾の講座に、1人の留学生さんが参加しています。彼はカリフォルニア出身、現在、上智大学の客員研究員で日本人について研究している学生さんです。彼が研究しているテーマは「日本人男性における他者に対するケア行動と思いやり」。
彼から提出された書類に目を通すと、“日本のマスキュリニティ”と見慣れないカタガナ文字が並んでいた。マスキュリニティとは、「男らしさ」。つまり男性について学ぶ学問であり、1970年代に登場したらしい。
今回、川崎パパ塾への取材目的は、マスキュリニティを「パパの子育意識と現状」という側面での研究です。

私(市川)が選ばれたのは、川崎パパ塾の事務局ではあるものの、現在、三重県に『単身赴任』という日本独特の境遇に興味を示していただいたのも影響しているようです。

■留学生データ
出身:アメリカ合衆国・カリフォルニア州
バンクーバーのブリティッシュコロンビア大学の博士課程
客員研究員として上智大学に所属

 

こっそり、今回の取材の一部ご紹介させていただきます。ちなみに、 今後、彼の論文は『日本のマスキュリニティ』として世界発信される模様です。

川崎パパ塾について

留学生
「簡単に川崎パパ塾の活動内容や目的について教えてください」

市川パパ
2008年、川崎市中原市民館(教育委員会)の事業としてスタートしました。私が参加したのは2009年、娘が1歳の頃。キッカケは妻からの勧めでした。
当初、川崎パパ塾の目的は、『パパの子育て参加』であり、子育てに興味の無いパパ(以降、圏外パパ)が対象でした。内容として、働き方の見直しから、料理教室のような家事の実践、そして絵本の読み聞かせ等の子育てスキルに至るまで、豊富な講座内容でした。
ただ、当初から違和感。
そもそも、このような講座には、子育てに熱心なパパしか参加していなかったのです。まさに“釈迦に説法”。
むしろ、参加したパパ達は、川崎パパ塾として、地域イベントに参加する企画に興味を示しました。自分の子どもではない、地域の子ども達と触れ合う経験を、新鮮に感じ、そこに意義を感じ始めたのです。そして我々は地域活動をする姿は、対象であった圏外パパ達へ、メッセージが届くのではないかと考えるようになりましたね。

留学生
「川崎パパ塾の目的は、現状に合わせて変化したのですね?興味深いです。その後の変化はないのですか?」

市川パパ
ありますよ!2015年、神奈川県の団体強化プログラムに参加する機会に恵まれ、そこで多くの事を学びました。特にペルソナ(対象者:パパ)のニーズが何なのか?を徹底的に調査しました。
先程、お話ししました、パパ達の地域活動への興味は、川崎パパ塾の講座や地域活動に参加した後に、湧き上がる興味です。
一方、当初の川崎パパ塾に応募した時の、パパのニーズは、“パパ友作り”がほとんどなんです。マスキュリニティ的にも興味深いところではないでしょうか?^^;
よって、今年の川崎パパ塾の活動は、パパ友作りが、メインしたいかな?また、パパ一人ではできないことでも、仲間になることで、地域活動等で、出来ることの範囲が広がることを理解してもらいたく、これからも、たくさんの地域活動を企画していきますので、是非ご期待下さい!

市川パパについて

留学生
「ところで、市川パパは、子育てについて、どのように考えていますか?」

市川パパ
川崎パパ塾の講座内で、講師の方がこんな事を言われていたのを思い出します。『家庭での子育てと、会社での部下育ては、似ています!子育てが出来るパパは、部下育ても出来る!』。最初、この言葉は何となく言いたい事は分かるものの、腑に落ちるところまでは、至っておりませんでした。

そして最近この言葉のお陰で、腑に落ちました。

やってみせ
言って聞かせて
させてみて
ほめてやらねば 人は動かじ
有名な、名言です。

おそらく、組織内の指導力を取り上げだものだと推察する言葉なのですが、ただ、これって、子育てに、すごく当てはまります!親も上司も、子どもや、部下を教育する際、1番大切なものは、子どもや、部下のモチベーションを上げられるかがポイントです。
とある学習塾のキャッチコピーにもありますが、やるスイッチを押してあげることが、パパとして、最大の子育てと考えています。

留学生
「今後、日本のパパは、どうなりますかね?」

市川パパ
20年前、妻とオーストラリアへ新婚旅行に行きました。出発前、旅行代理店から諸注意を受けた時の話です。

『オーストラリアでは、路上やレストランではタバコは吸えませんので、気をつけて下さいね!警察に見つかったら罰金ですよ!』当時、職場のデスクには灰皿が、当たり前のように置いてあり、くわえタバコで仕事をしていた記憶があります。またレストランに限らず、新幹線やタクシーもタバコが吸えたものです。

タバコを始め、様々なマナーが日本よりも進んでいたオーストラリアから帰国すると、改めて日本の酷さが気になったのを、今でも覚えています。あれから20年、日本も当時のオーストラリアに、やっと追いついた感じがします。
おそらく、科学技術やテクノロジーの進化は先行し、文化、風習、マナーは後発でやって来るのだと思います

お話を戻しまして、ご質問の、『日本のパパの子育ての今後は?』の件
タバコのマナー同様、日本のパパの子育てを取り巻く環境があります。その構図は、まず中心に“自分”、その周りに、家族、地域、行政、会社があります。理想の進化としては、取り巻く環境要素が全てが足並み揃えて進化すると良いのですが、実際の進化は、自分も含めてデコボコ状態。そんな渦中にある、今のパパ達は、デコボコに進化する環境要素の様々な“ズレ”に苦しむ事も出てくると思います。現状を見ると、まだまだ課題山積です。
しかし、タバコのマナー同様、着実にレベルアップしてますね。いつかパパの子育ては当たり前の時代になり、話題にもならなくなる日は絶対にきます。個人的に言えば、娘の時代には間に合って欲しいものです。

留学生
「単身赴任と、聞きましたが、現在、どのように考えていますか?」

市川パパ
日本独特の働き方らしいですよね〜英語に訳せないらしいです。直訳しようものなら変人扱い?と思われてしますそうです。どうしてそのような境遇になったのか?補足が必要とのこと。

私は、いわゆる転勤族でして、これまでの引越し経験は、7回です。長くても4年以上、同じ場所にいることはなく、ジョブローテーションという名の転勤が続きました。

秋鹿パパのコラムにもあるように、むしろ転勤を楽しんでいたのを記憶しています。そして、子どもの誕生は、それまでの価値観を一変するには充分な出来事でしたね。その当時、会社でも、タイミング良く「転勤拒否制度」もでき、給料大幅カットを条件に加入もしました。

しかし事業所縮小で、3年後制度廃止、そして、あえなく転勤辞令!家族を連れて行くことも考えましたが、新しい価値観(地域)などを考えると、フリーズ。

色々と考えた末、まさかの単身赴任。
会社への不満はをあげたら、数え切れませんが、自分と会社との“相性とのズレ”と考えるようにしています。

留学生
「毎週、帰っていると聞きましたが〜?」

市川パパ
はい!毎週、帰ってます。代償として、交通費は毎月8万円です。ただ1回分の帰省代は会社が出していただけるので、正確には毎月6万円!しかし、まだまだ痛い出費です。

ここで、単身赴任者の2つのタイプを紹介します。
①私のように毎週帰省するタイプ(残念ながら周りでは、私だけ)
②家族から離れ、むしろ自由時間を楽しむタイプ(残念ながら、こちらのケースがほとんど)

先日、②のタイプのひとりに近況を聞いたところ、ほぼ家には帰っておらず、帰っても家族との会話はゼロ、子ども達が20歳を超えたら離婚を前提に話しているとのこと・・・
『会社の辞令による家族崩壊じゃん!』と言うと、原因は単身赴任であるものの、彼からは、あまり会社に責任を問う姿勢が見受けられない。

どんな問題も、問題意識を持たなければ、改善されない事を考えると、転勤や単身赴任の問題は、まだまだ根深い問題なのかもしれません。

留学生
「今後、どのようにされていきたいですか?」

市川パパ
川崎パパ塾としては、これからも地域のパパの架け橋として、お互いにスキルアップできるような仲間作りを推進していきます。また、私個人レベルで言えば、望まない現状ではありますが、あまり悔やまず、むしろ、様々な問題点が見渡せる立ち居地を活かし、より良い日本のパパ作りに貢献していきたいと思います^^;・・・偉そうに、すみません。

留学生
「最後にお聞きします。良い夫とは何ですか?そして良いパパとは何ですか?」

市川パパ
唐突ですね~^^;。良い夫?パパ?・・・あまり考えたことがありませんでした。ひとまず自己評価ではダメそうかな?その答えは、妻と娘が持っているかもしれません。早速、妻と娘に聞いてみることにします。

≪妻いわく≫
良い夫とは?
妻の愚痴に共感してくれる夫。共感できなくても、「そうかそうか」と相槌をしてくれる夫
※ちなみに、私は共感してない模様。私へのお願いの言葉でした^^;

≪娘いわく≫
良いパパとは?
「ちゃんと、叱ってくれる人!」と答えてきた。
なぜ?と聞くと~
「パパは優しいだけじゃダメ!間違ったことをしたら、ちゃんと叱ってくれる人でなきゃね!」娘が、急に大人に見えた瞬間でした。
こんなパパの気持ち、これからも、パパ同士、共有できるパパ友を作っていければいいかな~

 

パパの子育ては、パパの心を“豊か”にします。
川崎パパ塾は、そのお手伝いに、少しでもお役にたてれば幸いです。





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