妻が妊娠した時はその後の準備について何をどこから始めれば良いのか分からなかった。初めてのことだったので、当たり前と言えば当たり前。ただ嬉しかったのはよく覚えている。
子供が生まれてからは家の中での役割も明確になった。
出産と同時に専業主婦となった妻は、昼間は一人でワンオペ育児。休日と夜は自分もサポートして対応した。とは言えオムツ替え以外はもっぱらお風呂当番&抱っこ担当。それでも「大切にしないと」という責任感は日に日に大きくなっていく。他の人に任せるわけにはいかない。子育ては自分が進んでやらなきゃいけない一大プロジェクトだと気がついた。
日々試行錯誤の子育ても順調に進み、長女は丸々と太って目に見えて成長していった。将来を案じるほどの肉付きの良さであった。そして幼稚園最後の年に次女が生まれ、一人目の時と同じように責任感を自覚した。
自分が一番大切にすべきものが何であるか、もはや明確であった。
そうして二度目の子育てをしていく中で自然と頭の中で色々なものを天秤にかけ、取捨選択して、優先順位が変わっていった。