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講座レポート

なぜ僕らは
パパになったのか?

登壇:佐藤パパ
講座終了後の集合写真
講座終了後の集合写真

なぜ、自分はパパになったのだろう。

毎日の子育てに追われていると、改めて考えることは少ないかもしれません。

子どもが欲しかったから。

結婚したら、自然にそうなると思っていたから。

家族と暮らす未来を思い描いていたから。

10月28日の川崎パパ塾は、「なぜ僕らはパパになったのか?」がテーマ。

登壇した佐藤パパの問いかけをきっかけに、日頃はなかなか言葉にしない、それぞれの原点を語り合いました。

子育てが始まったばかりのパパから、子どもが成人したパパまで。

経験も世代も違う参加者が集まり、話は夫婦の関係、仕事、思い出、そして自分自身の幸せへと広がっていきました。

2026年10月28日講座 なぜ僕らはパパになったのか?の募集チラシ
開催時の募集チラシ(募集は終了しています)

幸せの形は、人それぞれ

結婚する人もしない人も。

子どもがいる人も、いない人もいる。

その背景には、自分で選んだことだけでなく、

願ってもかなわなかったことや、人には話していない事情もあります。

佐藤パパが今回のテーマを選んだ背景には、そんな多様な生き方の中で、自分自身の経験を改めて見つめ直したいという思いがありました。

お互いを尊重したい。

けれど、配慮するあまり、自分の家族のことや、子育ての喜びまで話せなくなるのも寂しい。

幸せの形は、人それぞれ。

一つの正解を決める場にはしない。

お互いの生き方を大切にしながら、対話が始まりました。

パパになったきっかけ

自己紹介で多く聞かれたのは、

実は、明確な理由を考えたことがなかったという声でした。

いずれ結婚して、子どもがいる暮らしになると思っていた。

周りもそうだったので、ごく自然な流れだった。

子どもが特別好きだったというより、家族をつくることを身近な未来として捉えていた――。

一方で、自分が育った家庭のにぎやかさや居心地のよさから、同じような家族を持ちたいと思った、という話もありました。

印象的だったのは、昔から多くの人が経験してきた子育てを、自分も経験してみたかったという視点です。

時代も国も違う人たちが、子どもを育てながら喜び、悩んできた。

その営みに、自分もつながってみたい。

親になりたい気持ちは、必ずしも一つの理由できれいに説明できるものではないようです。

振り返る、家族への思い

子どもを望んでから、実際に親になるまで、長い時間を過ごした経験も語られました。

仕事との両立や夫婦それぞれの負担に向き合いながら、二人で歩んできた日々。

今回のテーマをきっかけに、なぜ自分たちは、そこまでして子どもを望んだのだろうと考え直したそうです。

当時の気持ちを、すべて言葉にはできない。

それでも今、子どもと暮らすことを楽しいと感じている。

今の実感から、過去の自分たちの思いをたどる場面でした。

佐藤パパからは、家族が増える中で、仕事と育児のバランスに悩んだ経験も紹介されました。

子どもが増えると、それまでのやり方では回らなくなる。

夫婦がそれぞれ一人ずつ対応するだけでは足りず、チームとして動く必要が出てきます。

もうこれ以上は難しいと感じる中で、きょうだいを望む子どもの言葉が、新たな決断のきっかけになったそうです。

家族の形は、最初に描いた計画だけで決まるものではなく、一緒に暮らす中で変わっていくものなのかもしれません。

佐藤パパの問いかけをきっかけに、それぞれの経験を語り合いました。
佐藤パパの問いかけをきっかけに、それぞれの経験を語り合いました。

子どもにも結婚してほしい?

将来、孫に会ってみたい。

子どもにも、家族を持つ喜びを知ってほしい。

そんな願いがある一方で、

結婚するかどうかは本人が決めること。

自由に生きてくれたらいい、という声もありました。

ここで話題になったのが、自分たちの考える「普通」です。

周囲が結婚していたから、自分も自然に結婚を考えた。

家庭を持つことが、当たり前の環境だった。

でも、周りが違っていたら、自分は同じ選択をしただろうか。

佐藤パパからは、結婚や子育てを取り巻くデータも紹介されました。

自分の身近な環境が、そのまま社会全体とは限らない。そんな視点から、話が広がっていきます。

親としての願いを持つことと、

子どもの選択を尊重すること。

その両方を大切にしたいからこそ、どう伝えるかは簡単ではありません。

子育ての喜びと大変さ

お金がかかる。

自由な時間が減る。

仕事との両立が難しい。

子育ての負担を感じることは、もちろんあります。

参加者からは、SNSなどで、そうした話を目にする機会が多いという実感が語られました。

一方、うれしかったことや幸せを感じたことは、周囲の事情を思うと、かえって話しにくいこともあります。

ここでは、結婚や子どもを望んでも、その願いがかなわない人もいる、という意見もありました。

家族がいる毎日を、自分たちは当たり前に感じていないだろうか。

子育ての大変さだけでなく、家族と暮らせていること自体にも目を向ける。そんな視点が、対話に加わりました。

一人ひとり、置かれた状況や人生の歩みは異なる。

自分たちの経験だけで、結婚や子どもを持つことを当たり前と考えてよいのだろうか。

参加者の経験を聞く中で、普段とは異なる視点に触れ、自分たちの見方を広げる場面もありました。

子育てにかかるお金をどう捉えるかでも、意見は分かれました。

家計にとっての支出という見方。

次の世代や社会の未来につながるものだという見方。

同じ出来事でも、どこから見るかで意味が変わります。

話が社会全体へと広がる中、あるパパから、自分がなぜこの人生を選んだのかを、もう少し掘り下げたいという声が上がりました。

親の立場からの経験が中心になる、この場だけでは見えないこともある。

その点も確かめながら、問いは再び、それぞれ自身へ戻っていきました。

もし、パパでなかったら

ここで佐藤パパが投げかけたのは、少し想像力のいる問いでした。

もし結婚していなかったら。

もし子どもがいなかったら。

自分は、どんな毎日を送っているだろう。

好きな仕事を続けていたかもしれない。

もっと仕事に没頭して、お金も自由に使っていたかもしれない。

夫婦二人なら、恋人のような時間が長く続いていたかもしれない。

子育ての方針をめぐって意見が合わず、夫婦の間ですり合わせが必要になった経験も語られました。

家族が増える喜びと、

関係をつくり直す難しさ。

その両方が、日々の暮らしの中にあるようです。

別の人生にも、きっと別の幸せがあったと思う。

けれど今は、子どものいる幸せを知っているので、いない暮らしを想像するのは難しい。

そんな揺れる気持ちも、そのまま共有されました。

パパになったことを振り返るのは、選ばなかった人生を否定することではありません。

今ある暮らしを、見つめ直すことでもありました。

思い出を分かち合う喜び

対話の中で、何度も話題になったのが、

思い出を共有できる喜びでした。

一人旅なら、誰にも気を使わず、好きな場所に行ける。

その楽しさはあるけれど、帰ってから、あのとき楽しかったねと思い返せる相手がいることも、うれしい。

家族旅行では意見が合わず、けんかをすることもある。

それでも後から、そんな出来事まで一緒に振り返れる。

旅の楽しさは、その場だけで終わらないのだという話になりました。

妻や子どもの希望に合わせることで、自分だけなら選ばなかった体験に出会える、という声も。

子どもの好きな鉄道に乗って出かけたり。

家族で旅をするために、新しい楽しみ方を見つけたり。

誰かに合わせることが、自分の世界を広げることにもなっていました。

佐藤パパからも、妻や子どもが喜ぶ姿を見ることが、自分自身の幸せにつながっているという思いが語られました。

子どもの成長を通して、自分がかつて経験したことを、もう一度味わえる。

日々の散歩のような何気ない時間にも、親になって知った幸せがあるようです。

家族から広がるつながり

結婚してよかったこととして挙がったのは、配偶者との出会いだけではありませんでした。

相手の両親や親戚と知り合い、大切にしてもらったこと。

一緒に過ごすうちに、かけがえのない関係になっていたこと。

もともとは別々に生きていた人たちが、家族になる。

その周りにいる人たちとも、ご縁がつながっていく。

日頃は当たり前に感じていても、振り返ると大きな出来事です。

子どもと歩くようになって、地域の人に声をかけられた。

子育てをきっかけに、新しい仲間ができた。

そんな経験も語られました。

この日、同じテーブルを囲んだパパ同士の出会いも、そんなつながりの一つです。

世代の違う参加者が集い、互いの話に耳を傾ける時間に。
世代の違う参加者が集い、互いの話に耳を傾ける時間に。

もっと気楽に、子育てを

終盤には、結婚や子育てで、互いの自由を必要以上に制限しなくてもいいのでは、という意見がありました。

夫婦それぞれの趣味や、友人との時間も大切にする。

子どもを見る時間を交代する。

何でも自分たちだけで抱えず、周りの人やサービスを頼る。

その家庭では、結婚前や出産前から、これからも大切にしたいことや、どう協力するかを話し合ってきたそうです。

もちろん、家庭ごとに事情は違い、同じやり方が誰にでも合うわけではありません。

それでも、よい親であろうと頑張るあまり、自分たちを追い込みすぎていないか、という問いは残りました。

親自身も、楽しんで暮らす。

その姿が、子どもにとって家族を持つことを考えるきっかけになるのかもしれません。

話すことで気づく幸せ

最後には、結婚や子育ての楽しさを、相手に押しつけず、自分の経験として伝えていきたいという声がありました。

なぜパパになったのか。

すぐに答えられなくても、誰かの話を聞くうちに、そういえば自分にもこんな思いがあったと気づく。

普段は見過ごしていた、家族との時間の大切さを思い出す。

佐藤パパからも、皆さんの話を聞きながら、子どもを育ててよかったと感じる出来事を、改めて思い出したという感想がありました。

今回も、一つの結論にはまとまりませんでした。

迷いや大変さも含めて話したからこそ、それぞれの暮らしが少し違って見える時間になりました。

皆さんは、なぜパパになったのでしょうか。

たまには立ち止まって、誰かと話してみませんか。